Link - 繋がり
今の時代、「Link - 繋がり」の重要さが増しているように感じる。
インターネットは、ISPと呼ばれる事業者のネットワークを単位として、それぞれが繋がって形成されている。
この繋がりを「Peer - ピア」と呼ぶが、そのISPがピアしているISPの種類や数によって、ユーザから見た接続品質が左右される。
一般的に、ピアが多いほど、接続品質は良くなり、そのISPは「品質の良いインターネット接続サービス」を提供していると評価される。
金融や運輸、通信の発達に伴い、ビジネスの世界では「グローバリゼーション」という言葉をひっきりなしに耳にするが、グローバル化した世界において「国」の良し悪しとは何になるのか?
グローバル化した世界をネットワークとして捉えると、より多くの国と良好な関係で繋がっている国に優位性がある事になる。
この繋がりは国同士の貿易関係となると思うが、その「数」と「質」が国の優位性を左右するという意味になる。
国をまたがる貿易において、その手間が少ないほど「質」が高いとみなせると思うが、一番品質の良い貿易関係は「自由貿易協定 - FTA」になるであろう。
実際に、国際貿易に仕事をしていないと分からない事かと思うが、関税を含めて各種税金の対応というのは、国を超えたビジネスをする上で非常に負担が大きい。
それは、金銭面だけでなく、それを適切に計算・処理する人的リソースの側面も含めてである。
このFTAを一度に多国間で行おうとする取り組みの一つが「TPP」である。
これは、先のISPのピアでも使われる「Multilateral」な仕組みであり、一国ずつメッシュ状の貿易協定を結ぶのではなく、一度に多くの国が集まって一つの貿易の枠組みを実現するモノであり、トポロジー(形状)としては「ハブ・アンド・スポーク - Hub & Spoke」型として分類される。
このトポロジーは、要素(参加国)を増やすのが容易である、という特徴を持っている。
つまり、参加国10カ国が、一国ずつそれぞれの国が相互に貿易協定を(メッシュ状に)結ぶとすると、全体で45個の協定を結ぶ必要がある。
しかし、Multilateralな協定を結ぶとすると、それぞれの国がその枠組に参加するかどうかだけで良いので、10カ国では10個の協定だけで達成できる。
経済社会で生きていく為に「グローバリゼーション」から逃げれないとすると、日本はTPPをうまく活用して国としての優位性を確保する必要が出てくるのである。
中国という国とどう向き合うか
今日、感動する記事を読んだ。
それが、これ↓だ。
ニューズウィーク日本版 - 風見鶏便り それでも日本は走り続ける
以前、以下の本を読んだことがある。
アザー・ガットの「文明と戦争」は、前半部分を中心にslideshareにもまとめている。
いずれの本でも、言われている事は、「領土問題では、お互いに所有の正当性を主張するだけでは、戦争をするしかなく、そうなると負のスパイラルに落ち込んで、双方が大きく傷つく」という事であった。
そういう意味で、感情的にならず、ある意味、計算高く、双方がうまくにじり寄れる妙案をうまくこなすしかない、という、結論に至る。
先のコラムに話を戻すと、前半では日本の真意が中国に伝わっていない事実に愕然とするが、後半では、中国におけるトヨタが、この騒動で傷つけられてしまった自社製品を無償で修理する活動が紹介されている。
「日本人として得意な、きめ細やかなサービス」と、「それを即時に提供できる一流会社としてのトヨタ」の両方に感銘を受けた。
嫌世的になって沈み込んだり、感情的に反発したりしてしまうが、まだまだ、人間としてやれることがある。